夕立ち

夕立ちの後には虹がでる。

今日もそんな日で、



雨で冷やされた空気が肌に心地よかった
そんなある日、君に呼ばれた
心なしか胸が鳴って、

「ああ、僕は君に恋をしているんだね」

そんな勘違いもしてしまいそうだった


君が来た

そして君は僕に言った

そっと、優しく、さとすように。


「大嫌い」

「えっ」

それしか言えなくて
立ち尽くすしかなくて

呆けているうちに君はどこかに行ってしまって


そこに残ったのは
僕と、空気と、「大嫌い」。



嗚呼、あの空には虹がでているのに。