2013-01-01から1年間の記事一覧

君は僕の話を知らない

不毛な恋はやめよう、と、 勝手に諦めた何度も口に出して言う 「どうせ届かないから、諦めたんだ!」 そう笑って、言うそれなのに君は、僕に笑いかけるのだ アーモンドのような瞳を細くして 形の良い唇を、弓のようにして ああ、うん、すてきな涙袋。去って…

だから僕は静かに目を閉じた。

いつからだったか、君を追うようになったこの目は 今は己を傷つけまいと、君を視界にいれなくなった君に触れると、皮膚が熱いよ 君と話すと、喉がつまるよ 君を見ると、胸が痛いよ 君を思うと、涙が出るよ。 うそ。そんなのは大袈裟だ。たぶんはじめから諦め…

現実逃避

熱い吐息に重たい現実や義務をのせて、 夜の彼方へ追いやる。君の乾いた瞳は僕に向けられたままだ。その柔い肩に顔をうずめるのは僕。君の視線は僕を掴んで離さない。

君の瞼にそっと口づけをしたように

夏が終わる。 蜩のなき声をききながら、寝入ろうとする太陽に目を細めた。 そういえば君と出会ったのも、こんな息苦しい夏だったっけ。 初めて君に触れたのも、こんな生き苦しい夏だったっけ。真っ白な光を浴びて眩しそうに瞼を閉じた君の睫毛の影が、 頬に…

凛として夏

息が止まるくらい、美しかったのだ。「背筋を伸ばし 艶やかな黒髪を靡かせ すらりとした長い脚で 地を掴み歩く君の姿」心臓が止まるくらい、美しかったのだ。 (それは夏の始まり、実らない恋の季節。)

<無題>

なにかにつけて諦める君がきらいだったそんな君に反抗して強がる僕もきらいだった だって だってこんな、 現実ばかり見なきゃならない世界なら、 夢が、空想が、馬鹿にされるなら、少しくらい希望をもったっていいじゃないか どうせみんないつか死ぬんだろう…

真夏の夢遊病

「ねえ、あのね、ぼくさ、君の慰みものじゃあないんだ」なんて言えたらどれほど楽なのだろう それはまるで真夏の冷や水だ 君が僕に氷のごとく接するのは ただの思い過ごしなのかな君を信じていいのかな、いけないのかならくだは渇いた砂漠を歩くけれど 僕は…

笑うの泣くの

「空がピンクだっていいじゃないか 地面が紫だって立派だろう」今日も君はそうやって、 当たり前に耳をすませる知らないことまで知ってるよ嫌いなものまで全部好きさ全部、僕の一部だから。 そう呟いて笑った君は あの時何を思っていたのだろう「カーネーシ…

決別

「君なんか居なくても」生きていけるよ、なんて 胸を張って言えるようになってしまうまで あとどれくらいかかるんだろう最近は 瞼の裏に君を描くと頭の後ろの辺りがさあっと冷たくなって 少しだけ、何もかもが嫌になる たぶん、君が怖いからだ、きっと君の視…

帽子を編もう

毛糸の糸を切ったのは誰だい小指に結んだ真っ赤な毛糸糸の先には誰がいるんだい君かい 僕かい あのこかい春の雨が毛糸を濡らす どこから糸はほつれたんだいあのこの手のひら握られた糸をほどいちゃいけないよ僕が悲しくなるからね 君の小指は真っ白だったね …

春始め

あまりにも君がきれいだったからその一瞬を逃がすまいと 必死に目を見開くけれど真夏の空を見上げたときのように 真っ赤な朝焼けに出会ったときのように 訳もなく涙が溢れそうで泣きそうな僕のことも知らずに 必死に生きる君は眩しくて 美しくて 芸術品みた…

ぎもんし

だからさ、さっきから言ってるじゃない「君が」 「好き」 「だよ」って、ほら 知らぬ間に午後 つかの間の頬君の涙をぬぐうのは誰なのかな僕なのかなそれとも?

パンジィ

どれだけ思ったって 思いを口にしたって 何したって届かないのに 君はもっと遠くにいってしまうの僕が知らないものを持ってるのでしょう君の欲しいものは僕にはないんだね これから君の白が赤くなって 君の赤が黒くなって 黒はまた白くなるんでしょ 多分その…

24時間

いくらでも泣きなよって 君を困らせた明け方君が好きなんだって 君を困らせた午前僕のこときらい?って 君を困らせた正午結婚してくださいって 君を泣かせた午後一緒に眠ろうって 君を抱き締めた夕方おやすみなさいって 君の唇を撫でた夜