春始め

あまりにも君がきれいだったから

その一瞬を逃がすまいと
必死に目を見開くけれど

真夏の空を見上げたときのように
真っ赤な朝焼けに出会ったときのように
訳もなく涙が溢れそうで

泣きそうな僕のことも知らずに
必死に生きる君は眩しくて
美しくて
芸術品みたいだなあってぼんやり思った


君は君でいてよ
僕はそっとさよならを言うから
君は知らなくていい
僕が君に恋をしてたこと