竜宮城へようこそ
がたがた震える君の体を
今日はなにがあったの
僕でよければ聞いてあげないこともないよ
つっけんどんに抱き締めた
君の周りには深海魚が泳いでいてさ
君を連れていこうとしているんだ
ほら
「お嬢さん、真っ暗の蒼は如何ですかな」
きっと君に魚の声は聞こえないし
僕の気持ちも届かないんだろうね
(だって耳栓してるしねえ)
だからせめて
体温だけでも伝わんないかな、なんて
ぼやぼやした頭で考えてたら
いつの間にか君を抱き締めてたっていう
お間抜けな僕のおはなし。
(君と二人きりの竜宮城に行って暮らして)
(隠居生活でも出来たらなぁ)