飛び立て

いつの間にか

こんなに空は近くなって
真っ青は少し色褪せた

入道雲の眩しい白は
幼い頃の僕の思い出


知らずのうちに手放した光と手のひらに
無言のさよならを言った


遠くの星を追いかけて
気球よりも高く
音よりも速く



どうか、どうか、



「しっかり生きて」


懐かしい声が背中を押して

いま、もっと遠くへ