真っ白に染まる髪を指でなでた 君の黒かったつややかな髪は いつしか色素を手放していまは、太陽の光を浴びて 銀色に光る 僕の記憶のなかで君が笑う 僕の目の前で君が笑う何も変わらないじゃないかねえ そんな顔しないで いつまでも君といるよ
夢を見ていた大嫌いな君の夢 嘘泣きしかできない僕を 咎めるように泣く、君僕に無いものばかり持っている君がね、 この上なく嫌いでね、もう本当に嫌いで嫌いで嫌いすぎてね 180度ひっくり返ってなんだかよくわからなくなったんだ あれ、え、うそ。
何て言えばいいんだろうと僕は頭を抱えたんだ 知らないって言ってた死にたいって言ってたきらいだって言ってた (そんな君は見たくないのに) (君は僕を裏切るばかり) ねえ目を瞑ったら真っ暗じゃないだろ そういうことだよ
君が幸せになってくれればなあなんて 性懲りもなく願ってはみるけど 本当は1ミリも願っていないことやまず君って誰だっけ、とか 僕もただの神さまなんでね 忘れて嘘を言うときくらいあるよってねとっくに空になった庭にひとり、呟いてみたりしてさ
流れ出した気持ちは くじらが飲み干してしまったよ ほら、あの山の迷子子くじらさ お母さんくじらに置いていかれたのなんのってね はは、冗談だよそんな酷い(まあ、たぶんね) 無視をするないお嬢さん あそこにいるじゃあないかああ、もしかして、見えていな…
また君の声。低くて それでいてよく響く 少し耳障りな声 いい加減、左後ろから囁くのはよしておくれよそっちの耳は弱いんだからああいや、よく聞こえないって意味さ、 変な意味じゃあないそんな小さな声じゃあきこえないんだって (本当はその声で)(どろどろ…
6月の台風君が碧を吸い込んだ 僕は思いを吐き出して みんなの傘を壊したんだ (ねえお嬢さん方、僕を受け入れてはくれまいか)(そんな薄っぺらな布で自分を守りなさるな)(僕のことだって守っておくれよ) ああ、もう君の涙も鬱陶しいなあ
ちかちか、ぴかぴか。 「ああ、君はいったい誰に思いを送っているんだ」 ちかちか、ぴかぴか。 「無視をするのはやめておくれよ」 ちかちか、ぴかぴか。 「そうやって、いつまでも逃げているんだろう」 ちかちか、ぴかぴか。 「そんなんだから届かないのさ」…
ねえ 知らんぷりなんかを決め込んで 君は何を知りたいんだい 砂漠の鯨は空に帰った迷子の星は死んでしまったそれ以上にしてそれ未満 優柔不断な君が僕は大嫌いでね、 知らない間に君の息の根を止めていたらしい ねえ 君が知りたかったのはこれだろう
「ずいぶんいいところに根を伸ばしているじゃあないか」なんて 君が泣いたので (僕はさっさと消えることにしました)(面倒事は君の次に嫌いだからね) (ああほら、さようなら)
君が一瞬にしてくろく染まるんだ 同時に空が仄暗く白く、色づいていく 僕は眩しくて目を隠したので その間に幾つもの星がたくさん生まれておおきな泣き声をあげていたのを 僕はこれからも知ることはない
君が好きって言うからさ僕も好きになれるんじゃないかなってね テレビの中で踊るアイドルたちきれいな服をきた俳優うさぎのマスコットあこがれのあの子その他もろもろもろ(笑) ああ、でもやっぱり僕は君が好き
こんな星のない夜は君がくれた泪を空に投げる 僕のこぼした泪も一緒に ほら、ゆらゆらと風船みたいに昇っていくだろう ああ、君の掠れた泣き声が 透明になって見えなくなるまで あと何回夜を泪で飾ればいい? 夜更かしで泣き虫な君のために。
ああたまにあるんだ 無性にね、耳を塞ぎたくなるときが心配しなくていいよ これの原因はわかっているから (本当は誰にでも聴こえているはずなんだ) (みんな、知らんぷりを決め込んでるだけ)
「君の心にそっくりだね。」なんて 君が言うので。 (とっさに首を絞めてしまった)
しんと静まりかえった空(天気が良かったわけでも悪かったわけでもない。ただそんな印象を受けた)の下で彼は言った 「ねえ、君の耳のピアスをひとつちょうだい」 だけど僕はピアスなんかつけていなかったし、 穴すらあけていなかったんだああ、君は本当に突拍…
顔が熱くなるのを感じた誰かがみたら きっと赤いんだろうな どうしようもなく、 恥ずかしくて思い通りにいかないことは自分がよく知ってる 君に少し嫌われてることも 君が何とも思ってないことも全部、全部わかってるよ 悔しかったんだ 一方通行の実感が ねえ…
「雨だよ、」そう言って泣く君の笑顔が 世界で一番きれいだと思った昨日 「さようなら」君が世界からいなくなった明日 「また明日」昨日の明日は今日だと気づいた今日この頃
君の瞳に映るのは どれも等しい命たち 深く蒼いその瞳に 君は何を思うのか 泣きたいのなら泣けばいいそう言われて泣けるのなら 幾分楽になっただろう だって全ては平等だから
ああほら、また君を思い出す もう忘れるって決めたのに君なんて嫌いだと思いたいのに だから明日会えるように ささやかな命にお願いをするんだ
ぼくらはまちがっていなかったこと。 みとめざるをえなかったこと。 ぜんぶ、ぜんぶ、ほんとはしってた
君なんていなくても生きていける僕になりました 酸素だった君は二酸化炭素になったのですさあはやく、 あのこの酸素になってあげなさい 僕はこのとおり ひとりで立って歩いていけるのでもう姿は見せないでください その赤い林檎の頬は僕が作ってあげたのだか…
あたしが傷ついたりするように 誰かも同じように傷つくんだってことを再確認別につらいことがあったわけじゃない 全部雨のせい でも雨は嫌いじゃない
桜が散りはじめてもう裸の桜があって そういえば君に出会ったのも これくらいの時期だったかなって頭の隅っこで考えてた 聴きたかった声も 欲しかった言葉も 僕の想いも 君の気持ちも桜みたいに散っちゃったんだろうね
どうやら僕は 君がいないとだめらしく その手の温度や 心臓の音も 要らない二酸化炭素までぜんぶぜんぶ欲しいみたいだ(笑) ほら、いまだって 君の背中を追いかけてる。
ピンと張りつめた空気真っ白な部屋で向かい合う僕ら 窓から差し込む光は熱く 僕の右足だけを温めていた 代わりに頭は影のおかげで冷えていて 君が最後に放った言葉の 声も 息も 空気も 気持ちも そっくりそのまま、覚えてる
君のことを思い出す鼻の奥がツンとする視界が滲む 空を仰いで首を締める 喉がひりひりして熱くなる君の背中が欲しくなる (いったい、)(いつになったらこんな気持ち、捨てられるんだろ)
真っ暗な明日を照らすように 満天の空に君の涙が光るもう泣かないように 君の瞼に口付けて 君が笑うまで抱き締めた もう忘れてしまったかい?(いつから見えなくなったんだっけな)
いつの間にか溺れていたんだ あまりにも君が優しいから こんな優しさは初めてだったから その砂糖みたいにさらさらの髪もくらくらするぐらいの甘い匂いもすこし乾いた唇も 全てが僕を溺死させる要素
はじめはお互いの慰めだった所詮傷の舐め合いだった その手に触れて その髪をといて その瞼にキスをして その耳に「好きだ」と囁いた それがほんとの気持ちになってるなんて 認めざるを得なくなるまであと6秒